
退職後の私の名刺の左上には、「出会いに感謝!」の文字を入れている。
仕事を持っていた時は大学名の役職入りだったが、やっと役職が解けて名前だけの名刺を持とうと思ったのだが、何とも味気ないので好きなひと言を加えた。
人の人生をひと言で語るとしたら、「出会いと別れ」の繰り返しであろう。
「出会い」は心ワクワクするが、「別れ」はいつも突然で悲しいものだ。でも別れの寂しさ悲しさを知っているからこそ、出会いを心底嬉しいと感じることができるのかもしれない。私はこの年になって「幸せな人生!」と感じることができるのは、多くの人たちとの出会いがあったからだ。出会いに、「良い出会い」も「悪い出会い」も無い。出会ったことこそが「縁」であり「めぐりあわせ」、悪いと感じて別れるのは「縁」がなかっただけのことだろう。
出会いの場は沢山あるようで、そんなに多くは無い。でも、案外と身近なところに大事な出会いがあるかもしれない。とにかく友人、知人を大切にし、彼らの言葉もしっかりと聞き、その日のために心を磨く努力をしよう!
ザトウクジラは種の保存のため、遠くの音を頼りに、ただただ出会いを求めて広く果てしない大海原を何日も旅するそうだ。それは命がけの旅であり、壮大なロマンスなのだ。
土屋朱鷺子

1948年生。1971年4月〜2009年3月、広島女学
院大学図書館司書として勤務しながら、劇団活動。
『河』(1983、88年)、中国残留孤児のひとり芝居『花
いちもんめ』(1996〜2009年)、創作劇『ばらっく』
(2000、2011年)など多数の舞台に出演。2008年、
同館に「栗原貞子記念平和文庫」を開設。2013
より広島文学資料保全の会・代表として、ま
に至る。
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